院長ブログ blog

メディカルトピックス

不妊治療にマイタケが役に立つ!?

2017年8月 aruku掲載記事より

 

仕事や子育てに忙しく、自分の健康は後回しに考えがち…。

そんなaruku読者世代に知ってほしい医療の話を

ロマリンダクリニックの富永院長に伺いました。

 

―不妊治療にマイタケが役に立って本当ですか?

月経不順や不妊を引き起こす大きな要因にPCOS(多のう胞性卵巣症候群)という病気があります。PCOSとは排卵がうまくできず、卵巣内に多くの卵胞が溜まってしまう病気です。女性の5〜10%にみられ、決して珍しい病気ではありません。原因のひとつとして、血糖値を下げるインスリンがうまく働かないこと(インスリン抵抗性)があげられています。このインスリン抵抗性に対して、マイタケから抽出された「グリスリン」という成分が効果を発揮するという研究があります。

私は長年、グリスリンのPCOS(多のう胞性卵巣症候群)に対する有効性について臨床研究を続け、日本生殖医学会や英文雑誌に発表してきました。

 

―グリスリンの実際の効果と期待することを教えてください。

当院を始めとする他施設の協力で行った臨床研究では、グリスリンを使うことで14倍以上も排卵しやすくなり、半年ほど服用続けることで4~5割の患者さんに月経不順や排卵に改善が見られました。しかも、20~40代まで年代を問わずに有効だった、という点にも注目です。手軽に使えて臨床研究でも良い結果が得られているサプリメントですが、100%安全だとはいいきれません。自己流ではなく、医師のもとできちんと相談し、安心できる形で使っていただくのが理想だと思います。オビユ(OVU)という医家向けサプリメントとして、PCOS(多のう胞性卵巣症候群)の治療に取り入れているクリニックも増えています。