長年産婦人科の臨床にたずさわってきて、なぜ女性だけが月経痛に悩まなければならないのか心を痛めてきました。
月経時には、プロスタグランジンという物質が分泌され、子宮を収縮させます。月経痛は、子宮が過度に収縮するときに起こります。また、ストレスを受けた時や、うつ状態でホルモンのバランスが崩れると、強く感じることがあります。鎮痛剤が効かないほど痛みが強い場合は、子宮筋腫や子宮内膜症が疑われますので、専門医に相談してください。月経痛の治療法としては、消炎鎮痛を服用することです。
鎮痛剤は早めに飲むことがコツです。痛みを我慢して、ギリギリになってから飲む方法は効果的ではありません。月経前日から服用するとさらに効果的です。これは痛みの原因である、プロスタグランデインを早期に抑えてしまうので、理にかなっています。そのほか、低用量ピルが月経痛のコントロ-ルに役に立つこともあります。
私の治療法を公開しましょう。
まず、食を整えることです。基本的には肉食をやめ、玄米・菜食に近い食事にします。海草も十分摂ってください。調理用の油はオリ-ブ油を勧めます。こうして、脂質のバランスをオメガ3優位の状態にします。それから、冷え性のために月経痛がひどくなることがありますので、ニンジンや生姜などを食べてください。また、半身浴で血行を良くしましょう。カイロなどを勧める人もいますが、「局所温熱」より、「全身温熱」にすべきです。決め手は、漢方とサプリメント(リプロキュア)を上手に組み合わせた治療法です。これによって、80%くらいの方が鎮痛剤を必要としなくなります。