メディカルエッセイ

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夜食は肥満のもと

ロマリンダクリニック院長
富永 国比古
 アメリカでは、極端な肥満の人も多いですが、一方、ベジタリアンなど健康志向の人も多くいます。私が留学していたころ、いろいろな食生活スタイルをしている人に出会いました。例えば、夕食は果物とブロッコリ-などの野菜、それに全粒粉のパン一切れ程度ですましてしまう人など、日本では「手抜き料理」などと批判されそうですが、こういう食生活をしている人は、みなスリムで健康そうに見えました。あまりヘビ-な夕食をとらないこと、また、夕食を早めに摂ること、これがダイエットのコツかもしれません。栄養学的に説明すると、夜は身体が休息モードになるため、エネルギーの消費力が低下し、食べたものが脂肪として蓄積しやすくなるのです。
 最近、日本大薬学部の榛葉繁紀先生は、BMAL1(ビーマルワン)という、タンパク質を発見しました。BMAL1の主な働きは、脂肪を合成、貯蔵するための酵素を増やし、脂肪を分解してエネルギーに変える酵素を減らすよう遺伝子に働きかけることです。また、面白いことに、このタンパク質は昼間は体内にほとんどなく、夜になると増えるということです。午後10時頃から増え始め、午前2時ころにピークをつくります。人類は長い間飢えと戦ってきました。そのために、寝ている間に脂肪を蓄積し、昼間それをエネルギーに変えて活動するという仕組みが作られてきたのです。BMAL1は、脂肪組織に多く、肥満に伴って加速度的に量が増加します。毎日、夜遅い食事をしていると、一気に雪だるまのように太ってしまう可能性があるわけです。ダイエットの第一歩は、早めの軽い夕食をとり、夜食を避けることにあります。どうしても、夜食を食べたい衝動にかられたときは、 短い時間でよいですから、何か食事以外の行動をすることをお勧めします。例えば、

●風呂に入って歯みがきをする
●ストレッチ体操をする
●本を読む 
●部屋のかたづけをする 
●散歩に出かける

といった行動です。
また、朝になるとBMAL1の量が減る減少は、太陽光線と関係があるようです。ですから、朝日を浴びることも重要です。朝日をあびることは、うつの予防にもつながります。